のんびり生存記録

32歳で癌になった人です。

積ん読解消なるか


入院前日。

腫瘍が分かってからというもの、だんだんと下腹のふくらみが大きくなってきている気がする。腹痛の頻度も増えている……。

さて、いよいよ明日から初めての入院。どきどきだ。
この機会に積ん読を少しでも解消しようと荷物に本を詰めたけど、どうなることやら。

 

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入院に持っていく本たち

 

夫婦のメンタル

今日は出勤して限度額認定の申請。入院に間に合うか心配だったけど大丈夫そうで一安心。

夜、病状を良いほう捉えて励まそうとする夫に反発して泣いてしまった。申し訳ない。良いほうに予想をして後で裏切られたくなくて、私はあまり良いように考えないことでメンタルを安定させようとしている。夫は自然にしていると最悪を考えてしまうから、ポジティブなことを言って自分自身を励ましてるところがあるそう。泣かせたことに罪悪感を覚えていた。泣いたのは私だけど、内面では夫のほうが強いストレスを受けているように感じる。大丈夫だよと頭を撫でておいた。

入院準備

昨夜はお腹の刺すタイプの痛みが少し強くて、イブAを飲んで治まったけど結局朝まで眠らず。完徹なんて学生時代振りかも。

午前中は、入院前の新型コロナ検査で病院に行って唾液を提出。トイレ内に提出用の窓口があってちょっと面白かった。

ついでに、手術のために用意するよう言われたおむつを院内のコンビニで購入。
さすが癌患者の多い病院だけあって、院内のコンビニに入院・療養グッズが充実している。髪の毛が抜けた人用の帽子もたくさん。今後私もお世話になるのかもなーと思って見た。

 

夜。病気についてこれまで夫と職場以外には直接伝えてなかったけど、一番上の妹に電話した。珍しく電話してびっくりさせちゃったな。妹と話して、親には現時点では伝えないことにした。ショック受けるだろうし、大騒ぎされるのは正直いやだし。今後の見通しがついてから伝えようかなと思う。

 

卵巣と子宮に腫瘍発見、試験開腹手術へ

卵巣腫瘍と子宮腫瘍の病状について、腫瘍の発見から初回の手術の説明までの話です。

 

腫瘍発見まで

2021年4月上旬ごろから、症状として、お腹に生理痛のような鈍痛と時折刺すような痛み、お腹の張りがあり、毎日軟便が続いていました。

5月に別の目的で撮影した(子宮奇形の手術のためでした)CTで、10㎝ほどの卵巣腫瘍が見つかります。CTの結果を聞いた当日中に別の病院(都道府県がん診療拠点病院)を紹介され転院しました。

MRIを撮って、10㎝ほどの卵巣腫瘍、2㎝ほどの子宮頚部の病変が見つかりました。子宮頚部の生検で腺癌が検出。腫瘍マーカー検査でも基準値を大きく超える数値が出ました。腹痛とお腹の張りは10㎝の腫瘍が原因だったようです。

 

病名と治療の方向性(暫定)

お医者さんからもらった説明書には、

  • 子宮頚癌の疑い
  • 卵巣腫瘍
  • 腹膜癌の疑い

とあります。

大きく分けると、「子宮の病変」と「卵巣(+腹膜・大網)の病変」があり、加えて先天性疾患の「OHVIRA症候群」の要素を考慮して、都度治療方針を検討していく、と丁寧に説明してもらいました。

 ▼「OHVIRA症候群」については前回記事を参照

 

卵巣の10㎝ほどの腫瘍は、卵巣癌の可能性が高いそうです。子宮頚癌と卵巣腫瘍はどちらが癌の発生源なのか、そもそも別々に生じたものなのか現時点では不明とのこと。

腹膜癌の疑いというのは、大網に腫瘤病変がみられ、腹膜播種、癌性腹膜炎が疑われるとのこと。最近、おへそを押したら、ニキビを押したような痛みがあったのですが、その正体がこれのようです。

病名は現時点で「疑い」とついていますが、来週受ける手術で腫瘍を確認して確定診断となるようです。術後に癌のステージも宣告されるのだろうと思われます。

標準的な手順では、最初の手術で両方の卵巣・卵管・子宮・大網(胃の下~腸の辺りにある腹膜)を切除して、できるかぎり腫瘍を摘出するものらしいのですが(下記の国立がんセンターのページ参照)、私の場合、病変が腸などに癒着していて摘出が困難とのこと。 

なので、初回手術は「試験開腹」といって、お腹を開いて状況を確認し生検をして診断することが目的で、癒着の状況によってできる範囲で卵巣腫瘍(と大網の病変)を摘出するそうです。

手術は、下腹部の正中を縦に切開し、必要に応じて臍の横~臍上まで切開を延長するとのこと。1週間くらいの入院になります。

手術の後には、抗がん剤による化学療法が始まる予定です。詳しくはまだ聞いていませんが、数週間に1度、通院で点滴を受けることになります。

抗がん剤を何か月か続けた後、病変が小さくなっていれば、子宮と卵巣を摘出するための2度目の手術を検討するそうです。

 

患者所見

初回手術で病巣のほとんどが摘出できなそうということについて、率直に言って今後を楽観視はできないよな……と感じます。卵巣がんの予後は手術で取り切れなかった腫瘍が小さいほど良いと、国立がん研究センターのページで読んだので。

病状説明の中に「腹膜播種」とあったのも気がかりです。子宮だけではなく他の臓器にも転移しているということは、ステージⅢか……。

いずれにせよ、抗がん剤治療に期待するほかはない、ということでしょう。

担当医師は丁寧な説明をしてくれています。がん患者をたくさん診て慣れているのかもしれませんが、誤解を与えないよう正確に、でもショックを与えすぎないように気を使って話されているなと感じます。(病院での病状説明の前に一度電話で説明してくれたのですが、その際に私が泣いてしまったのもあるのかなと思います。)

説明に同伴してくれている夫は、先生の話を楽観的にとらえている様子です。正直、病気について私よりも夫のほうが動揺しているので、夫にはこのくらいのトーンで今後も説明してもらえるといいなと思います。

今後の見込みについては、試験開腹でお腹の中を見てもらった後、がんのステージを含め告知されることになるのでしょう。

手術の翌日に、医師と私とで話す機会があるそうなので、夫のいないそのときに率直な今後の見通しについて聞いてみようと思います。最良の場合・最悪の場合どうなるか、最もありそうな見通しについて。

子宮が2つ、腎臓は1つの珍しい奇形「OHVIRA症候群」が見つかるまで

現状について書く前に、まず、先天性の疾患について書いておこうと思います。

私の婦人科系疾患は複数の要素が重なっている珍しい症例なので、自分の中での整理を兼ねて記録します。

※疾患については、素人の知識と自分の経験を書いています。正しい知識を得たい人は医師に尋ねるか専門書や論文をあたってください。

 

珍しい内臓の奇形、OHVIRA症候群

私には「OHVIRA症候群」という先天性の奇形があります。

子宮と膣が2つあり(重複子宮・重複膣)、左側の腎臓がありません(片側腎無形性)。

そもそも珍しい疾患なことに加えて、見かけ上は正常に機能している側の子宮と膣しか見えないので、もう片側が完全に閉じていて思春期に月経困難になり病院受診した場合には見つかりますが、そうでなければ大人になっても見つからないこともあるみたいです。少なくとも片側が正常に機能していれば妊娠出産も可能だそうで、私の場合も、重複子宮を見つけた医師からは、早産リスクはあるが妊娠出産は可能と言われました。

 

重複子宮の発見と手術計画

私の場合は、初経の頃から生理痛が重かったり経血量が多かったです。おりものの量が多くて365日ずっとナプキンを使っています。上記症状のため20歳ごろから婦人科に通い始めましたが、以後10年近く経つまで重複子宮は見つかっていませんでした。

28歳頃に、子宮頸がんの検診で行った病院の医師がエコー検査で異常を見つけ、MRIを撮って重複子宮が判明。その後転勤して、引っ越した先の病院であらためて診察を受けました。

2つの子宮・膣があり、そのうち右側は正常に機能しています。右の膣の途中から左膣が分かれているような状態。左側の膣は右の膣につながっているのですが、ほぼ入り口がふさがっているので、左側の膣内に体液が溜まってしまい、おりものが多いのはそれが理由らしいとのことでした。

生理痛の重さやおりものの多さに長年不便な思いをしていたので、その病院で左側の子宮を摘出する手術をしようということになりましたが……。

 

手術のために撮影したCTで

重複子宮の片側を手術するためにCTを撮影したところ……なんと10㎝大の卵巣腫瘍が見つかりました。その病院では手に負えないらしく別の病院へ急いで転院するよう言われます。

転院の説明のときに初めて「OHVIRA症候群」という病名と、左の腎臓がないことを告げられました。病名の診断がついたのがその時なのか前からついていたのかはよくわからずじまいですが、腫瘍の治療のため転院となりました。

 

ということで、当初は子宮奇形の手術を受けて長年面倒だったおりものから解放される予定だったのですが、それどころではないことになってしまったというところです。

腫瘍については次の記事で書きますが、OHVIRA症候群という珍しい奇形なこともあり、腫瘍の治療方針も都度検討しながらになるそうです。

ブログ始めます。

初めてのブログ開設です。

日記代わりに書いていきたいと思っています。

 

ブログを始めるきっかけですが、先日、がんの疑いが判明しました。32歳の誕生日を迎えた同じ月です。

病気の経過記録と自分の心境整理のために日記を書こうと思いつき、ブログを始めてみました。

 

これまでの経過と病状については次の記事で書こうと思います。